ドッグフードの重要性・時代は進んでもいます。
ドッグフードの重要性・時代は進んでもいます。
グレインフリー
『炭水化物が不要である』という論文が発表されたのは2006年の事です。
12年ほど前です。
その頃より、『犬は本来肉食である。生物学的に・・・』と唱えられグレインフリーの販売が始まった時期になります。
それまでの製品といえば、高タンパクのフードは数えるほどしかなかったのです。
小麦粉だらけのドッグフードを全否定し発売されたわけですので、革新的な進化です。数字だけみれば。
ただ残念な事に全てが動物性タンパクではありません。植物性のタンパク質もかなり混ざっての30%以上の数値です。意味がありません。
この時点では既に植物性タンパクに大きなファクターが無いと知っていたはずです。
新製品を作り出すために、その会社内で議論された事でしょう。
栄養面から言えば全てを肉に、製造面からすれば製造原価を少しでも下げるために豆類を。会社運営では当たり前の事です。
その結果、安価な穀物原料のコストを補うために豆や芋を原料にする事になったのでしょうね。
製造メーカも豆や芋に意味はないと分かっていても、新たに設備投資を行ってまでは新製品は作れないと言うジレンマはあったのではないでしょうか?
新たな製造方法
市場も犬の食が解るにつれ正しいものを買うようになりますので、売れるものは市場競争も起こり価格の下落や安定化されます。そうなると、それまで妥協していた技術や設備投資への回収目処も経ち新たな技術で、より良い製品作りへシフトできます。それが、フリーズドライの製品となるのですが・・・
フリーズドライの場合、温度もコントロールして更に減圧も行わないといけない。
真空を保つための炉はそれなりに精度が必要であるため、それまでドライフードの支流であったエクストルーダー(加熱吐出機)の簡単な設備と価格も全く違うでしょう。その金額は製品へ製造レートとして乗せられるため、フリーズドライ製品はものすごく高価となってしまいます。
製造工程もドライフードより増えますしね。
そのコスト高を改善するのに、よそ様の設備を使いフリーズドライ原料と従来のエクストルーダーを使ってコストダウンを行なった商品がグレートライフだったわけですが、残念ながら商業主義へと変換したのでなくなってしまいました。
ただ、この手法はドッグフードの進化の上では革新的だったと思います。
同じ手法で、大手企業がフリーズドライ原料を使用した製品を既に販売されていますので。
進化はより正常化へ
12年経ち犬本来の食へ進んでいると感じ取れるのですが、この流れは止まらないと思います。何年かかるかは分かりません。特に日本は。いまだに穀物ベース、タンパク質10数パーセントを堂々と製造販売しているし、飼い主の意識も低いので。
それでも、犬の食はこうあるべきと科学的に証明されているわけですので、それに逆行することはないでしょう。
それを覆すには、科学的な根拠も示さなければいけないし、それを行うためにはかなりのエネルギーが必要です。おそらく企業はしません。疑問を持つ研究者はわかりません。それが化学者ですからね。
長くなるので次回へ続く。『炭水化物は本当に0でも?』